Development Diaries

 

"知識の書"はめちゃめちゃクールだ。

これでも謙虚こめて言っているのだけど、それが僕がこの件の担当者だからというわけではない。もちろん僕が"知識の書"が話題に上るたびに、必ずと言っていいほど僕は紙とペンを持って大急ぎで机に戻り、新しいアイデアをメモしてきたから、という理由でもない。プレゼンテーションで僕が"知識の書"の使い方についていくつか提案するたびに、逆に聞き手のみんなが色々と提案をして50ものアイデアをくれた。母親まで、"知識の書"上で何が見たいかを言い出し始めた。そしてプレスの人たちも意見してくれる。話す人みんなが、"知識の書"に何を含めたらいいのか教えてくれた。そしてなにより、Warhammer Onlineに関わる作業をしている全員が"知識の書"に何を含めるかについて影響を及ぼしているんだ。

だから、このシステムの開発に関わったことはとても名誉なことだ。

"知識の書"のコンセプトがよくわからない読者のために、わかりやすい例を挙げて想像してもらおうと思う。映画「インディ・ジョーンズ/最後の聖戦」で、ショーン・コネリー演じるヘンリー・ジョーンズがつけていた日記を想像して欲しい。それにXbox 360の"実績システム"を掛け合わせて1000倍にもしたようなものだ。

これで"知識の書"にカップケーキをポンポン吐き出させるようにできたら、僕にとって本当に最高の存在になるね。

ドワーフ・エンジニアのルーズベルトの物語へようこそ

さて、実際のところはどうなのかな? "知識の書"は本だ。この本は君がWarhammer Onlineをプレイしていると書き加えられていく。"裁きの時代"についての物語、ゲーム内で進行中のイベント、君のキャラクターのストーリーなど、君のプレイに関わる事柄がこの本に書かれていく。そういったすべてのことを書き記していくから、"知識の書"には膨大な情報が含まれる。

それにこの情報は複数の異なる経路で記録される。いくつかの情報は参照用になるから、"知識の書"を使ってWarhammer Onlineや、ウォーハンマー世界の情報を知ることもできる。しかし、君が出会うであろう物事、たとえば"グァーグ!"やビールといった基本的な物事を、たんに説明するだけにはしない。僕たちは物語を語るスタイルで、雰囲気たっぷりに紹介するんだ。Warhammerになじみのない人にとっては有益な情報に、ベテランにとっては楽しい読み物になるだろう。

"知識の書"の項目のひとつ、"怨恨"を例に挙げよう。君が新しいドワーフ、たとえばエンジニアのルーズベルトのようなキャラクターを作って、ドワーフ用のスタート地点を探索すると、作業台のところに一冊の本がある。これが"怨恨の書"で、これを見つけるとほんの少しだが経験値が入り、"怨恨"に関する情報がいくらか手に入る。この本の語るところから、ドワーフたちがとてつもなく長いあいだ恨みを忘れないことがわかり、それにまつわる逸話も知ることができる。

ルーズベルトはモードリンの金床で見つけた"怨恨の書"から"怨恨"について学んだ

"知識の書"にある情報の一部は、記録として保持される。ゲーム内で行った行為に関する数値が記録されるんだ。例えば倒したモンスターの数とかね。"知識の書"には君の倒したモンスターの数が記録される。君が"知識の書"のことを忘れていても、記録され続ける。そしてどんな場合でも、君はその記録によって報酬を受け取ることになる。

モンスターを倒すことで一定の記録を達成すると(例えば特定のモンスターを1匹、10匹、100匹倒したとき)、"知識の書"はこれを記録して、モンスターと君を別の方法で結びつけようと挑戦してくる。あるエリアを移動中、バジリスクの集団を倒したとしよう。バジリスクどもを倒すと、その中の1匹がアイテムを落とす可能性がある。町に住むドワーフが持っていたバックパックだ。君はドワーフの名前に気がつくかもしれないし、がらくたとして売り払い数枚の銅貨に換えてしまうかもしれない。ここでは名前を思い出して、バックパックを本来の持ち主に戻したとしよう。君はよく観察して特別な任務を達成したことになり、"知識の書"は君に報酬を与えてくれる。

記録されるのはモンスターを倒した数だけじゃない。あらゆることが記録される。進行したクエスト、オブジェクトとの接点、発見したエリアなどなど。そしてゲームのプレイ方法も関係してくる。プレイ時間が"知識の書"をアンロックすることもあれば(それが良いことか悪いことかは別として)、キーボードで何かするのが必要になることもある。"知識の書"が関わらないシステムは存在しない。

ルーズベルトがゴブリンたちを懲らしめると、"知識の書"の一部がアンロックされた

さて、これはどういうことか。僕たちはどんなふうに"知識の書"を開発しているのか? Warhammer Onlineの開発に関わっている大勢の人たちが、どうやって"知識の書"に貢献しているのだろう?

"知識の書"の作業には2つ段階がある。1段階目は基礎開発で、2段階目は補強作業だ。

何人ものアーティスト、プログラマー、ライター、そしてデザイナーたちで構成されたチームがあって、毎日"知識の書"の開発に取り組んでいる。彼らが"知識の書"の枠組みを作る責任者だ。 彼らが"知識の書"に含める内容を作っている(カップケーキのことは忘れてくれ!)。あらゆるセクションの輪郭を描き、各セクションに何を含めるかを決めるんだ。

"知識の書"のコンセプトができたら、実際に何を含めて何を含めないのか、何を入れることは可能で何が不可能なのかについて正確に判断する必要がある。この初期段階では、"知識の書"に詰め込みすぎてしまう危険があった。そのままではゲーム中のテキストの全文、ありとあらゆるユーザー・インターフェースの要素、すべての情報の断片が放り込まれた、がらくた置き場になってしまう。しかし"知識の書"はクールなものにしなければならない。そこで我々は何度も話し合いを繰り返し、何をどのセクションに含めるべきかの正確な資料を何度となく作成した。"生物の章"には何を含めて、"実績の章"は何を入れよう? 最高にクールな報酬を与えるのはどこのセクションにしよう、おっと肝心の報酬はなんだ? "知識の書"に載せなくていいものはなんだ?

ガイドラインとルールがすべて用意され合意に達したが、今後も変更や繰り返しがあるだろう(プレイヤーからのフィードバックによるもの多くなるだろうね)、それもたぶん……この先ずっと。とはいえ、現時点の僕たちは全力で"知識の書"の第2段階に取り掛かっている。圧倒的な量のイケてるコンテンツで、枠組みを補強する作業だ。

例えば、最近は"実績の章"の部分の作業を続けている。"実績の章"は"知識の書"のなかでも、君たちには予想できない部分だ。"実績"は突然に与えられる種類のもので、しばしば君のプレイ・スタイルについて解説するものである。"実績"の種類には、RvRに関するもの、探検に関するもの、ゲーム内のあらゆる物事についての基本的なもの、などがある。だから、"知識の書"チームのデザイナーや開発者が最初にしなければならない仕事は、Warhammer Onlineのほかのチームと会って相談することだった。僕たちは都市開発チーム、クエストチーム、RvRチーム、生産チーム、とにかくあらゆるチームの人間と打ち合わせするスケジュールを立てた……それから分厚い仕様書を作って、記録を取りたいと思うあらゆる要素を提案した。倒した敵の数を記録したい、死亡した回数を記録したい、倒した回数と倒された回数の比率を記録したい、時間あたりの敵を倒した回数を記録したい、時間あたりの死亡した回数を記録したい、エリアごとの敵を倒した回数を記録したい、生き残った回数もだ。

別のチームと一緒になって、ゲームシステムを考えたり仕様を決めたりする作業をしていると、そのシステムがどのように使われるのかが深くわかってくる。そうすると、もっと面白い"知識の書"のアイデアが浮かんでくる。"知識の書"のブレインストーミング作業は、映画「未来は今」の1シーン、みんなで"フラフープ"の商品名を考える場面を思い出させる。映画では閉じたドアの向こうでみんな立ち上がり、口々に製品名のアイデアを叫んでいた。("The Dancing Dingus! The Belly-Go-Round! The Wacky Circumference! The Shazzameter! The Daddy-O!") もちろん、途中で変なアイデアが出てくることがあったとしても、僕たちも最後には"フラフープ"のようなピッタリとしたアイデアにたどり着く。まぁ、おもしろければ変なアイデアも一緒に入れることもあるけどね。

アイデアを出した後は、プログラマーによってそれが実現可能かどうか確かめられていく。ユーザー・インターフェースの担当者に手伝って貰って"知識の書"のレイアウトを行い、すべての情報が理解しやすくなるような形にする。ライターは"知識の書"がアンロックされたときのテキストを書く。開発者はプレイヤーが実績を発見したり達成したりしたときの格好いい方法と、それらをつなぎ合わせる方法を考える。さてその次は、プレイヤーのみんなが世界中を駆け巡って、ゲーム内の人里離れたエリアで称号や報酬を探してもらう番だ。

大勢の人間が関わり、どのチームも自分達が担当しているゲーム内の箇所について熟知し、それらのインプットを僕たちが懇願しているから、"知識の書"はゲームと本質的に結びついたものになっている。このことに僕はとても満足している。勿論、クールな報酬の数々にも満足だ。

しかし何よりも"知識の書"を特別なものにしているのは、これはプレイヤー達一人一人の物語となっている点だ。僕たちは、君がどのようにWarhammer Onlineをプレイしているかを示す入れ物を作ったにすぎない。僕たちはプレイヤーのみんなの"知識の書"が、それぞれ異なったプレイスタイルや方法を表現してくれるのを期待している。ひとつの"知識の書"を作ることは、無数の"知識の書"を作ることでもあるんだ。僕たちは君の"知識の書"を作った。そしてその本は君に書き込まれるのを待っているが、僕たちは君がその目で確かめてくれる日を待ちきれないでいる。




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